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【W杯予選】黒星スタート。日本代表は最終予選初戦を落とす…!!

2016.09.02

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|浅野のゴールが入っていれば……だけではない課題

1−2で迎えた後半32分だった。右SBを務める酒井宏樹からクロスが上がる。これを本田圭佑がヘディングで折り返すと、途中出場していた浅野拓磨が左足で合わせた。枠に飛んだシュートはGKハリド・エイサに弾き出されたが、ゴールラインを割っているように見えた……。しかし、無情にも判定はノーゴール。試合はそのまま続行された。

UAEをホームに迎え、ロシアワールドカップアジア最終予選の初戦を戦った日本は1−2で敗れ、黒星スタートとなった。確かに、浅野のゴールが認められていたら結果は違っていたのかもしれない。ただ、それ以前に日本は、組織的に守るUAEの牙城を崩せず、セットプレーから決めた本田の得点以外は、相手のゴールネットを揺らすことができなかった。

柏木陽介と長友佑都がケガにより不在となった日本は、ボランチに代表初キャップとなった大島僚太と、左SBに酒井高徳が先発出場した。1トップには岡崎慎司、トップ下に香川真司が入り、右を本田、左を清武弘嗣が務めた。ボランチには、代表通算100試合出場を飾ったキャプテンの長谷部誠と大島が並び、最終ラインは右から酒井宏、吉田麻也、森重真人、そして酒井高というメンバーでスタートした。

先制点を奪ったのは日本だった。前半11分、前述したように右サイドでFKを得ると、清武の入れたクロスをファーサイドで待ち構えていた本田がヘディングで決めてリードを奪う。

しかし前半19分、UAEのアリ・マブフートが右サイドから中央へ斜めに走ると、縦パスが通る。パスを受けたマブフートは縦にドリブルすると、マッチアップした吉田が手を掛けてしまいFKを与えてしまう。これをアハメド・ハリルに直接決められ、同点に追いつかれてしまった。

1−1で折り返した後半、日本は相手の猛攻を受ける。相手の攻撃を切ることができず、悪い流れのまま、何度も波状攻撃を仕掛けられる状況が続いていた。その後半7分だった。イスマイル・アルハンマディがペナルティエリア左でボールをキープする。日本は、香川、酒井高、大島の3人で囲み、ボールを奪おうとしていたが、アルハンマディに強引に突破されると、大島がたまらず足をかけてしまいPKを献上。これをハリルに決められて1−2と逆転されてしまった。

追いつこうとする日本は、後半17分に清武に代えて宇佐美貴史を、後半21分に岡崎に代えて浅野を、さらに後半30分に大島を下げて原口元気を投入したが、ゴール前を固めるUAEを崩すことができず、最終予選の初戦を落とす結果となった。

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|大島は苦いデビュー戦。それ以上に際立つチームの未成熟度

代表初出場が初先発であり、しかも最終予選の初戦という大舞台だったことで注目を集めた大島にとっては、PKを与えるファウルを冒すなど2失点に絡み、苦いデビュー戦となった。後半4分にはこぼれ球に反応してミドルシュートを放ち、特徴である縦パスを前線に入れる場面も見られたが、一方でボールに絡めない時間も多く、また守備においても相手に振り切られるシーンが目立つなど、存在感を発揮したとは言い難かった。

ただし、大島を除けば、他は日本代表の常連であり、むしろ海外組と呼ばれ一目を置かれる存在である選手たちは存在感を見せたであろうか。見えてきたのは、チームとしての不完全さばかりだった。アジア勢を相手にリードを許せば、引いて守りを固められることは戦前から分かっていたはずである。だが、そこを攻略するアイデアもなければ工夫もなかった。サイド攻撃を仕掛けても相手のDFを広げるという試みをするのではなく、ただクロスを入れ、弾き返されて攻撃は終わる。香川、本田、清武の2列目も距離感がいい時間帯には巧みなパスワークが見られたが、特に香川はボールを触る機会が少なく、活きていたかと言われれば疑問符が付く。

失点はセットプレーによる2失点だったが、守備の拙さも露呈した。ロングボールを蹴られ、やすやすとDFの裏を突かれる場面も多ければ、カウンターを浴びる状況も多かった。

また、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の選手交代にも効果は見られなかった。指揮官は、後半21分、岡崎に代えて浅野を投入したのだが、UAEがリードを奪い守備を固めている状態で、DFの裏に走り込むことで能力を発揮するストライカーを送り込むのは、果たしてベストのチョイスだったのだろうか。浅野だけでなく、宇佐美にしても原口にしても彼らの個性を活かしきれてはいなかった。

世界を目指す前にアジアでの戦いがある。また、予選は内容以上に結果が問われる舞台でもある。どんなに素晴らしいサッカーをしようが、勝たなければ意味をなさない。そうした中、劣勢に立たされても戦い方も変わらず、中央を固められてもひたすらサイドからのクロスでゴールを奪おうとした攻撃には可能性を見出せなかった。

MS1_4775 これまで、初戦に勝利しなければW杯に出場できていないという負のデータがある。ハリル・ジャパンはこの苦境を覆さなければならない。チームとして、二次予選からの上積みがないことも懸念される。5日にはアウェイでの第2戦が待っている。ハリルホジッチ監督自らが、「簡単に勝てる相手などいない」と言っているように、最終予選は厳しい戦いが続く。レフェリーの笛など不運もあったが、それ以上に、今一度、攻守の基軸を見つめ直す必要がある。

文:SOCCER PUSH UP! 編集部
写真:佐野美樹

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