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【W杯予選】原口元気が先制弾もPKでドロー。厳しい状況続くハリル・ジャパン

2016.10.11

533|鮮やかなカウンターから原口が先制点をマークするも……

前半5分に決まった先制点は、まさに日本が意図し、狙いとする形だった。オーストラリアが最終ラインからつなごうとした縦パスを左サイドの原口元気がカットする。これをボランチの長谷部誠が拾って、一気に押し上げると、1トップに起用された本田圭佑に縦パスを送った。前を向いた本田は、懸命に足を伸ばして左サイドのスペースに送る。そこに走り込んで来たのが、攻撃のきっかけを作った原口だった。原口はドリブルでペナルティーエリア内に進入すると、左足で冷静にシュートを流し込み、ゴールを決めた。それはアウェイで奪った貴重な先制点だった。

負傷者が続出する中、日本は1トップに本田を起用、2列目には小林悠、香川真司、原口が並んだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、アウェイの試合だけに劣勢に立たされることも覚悟してか、ボランチではボール奪取能力に長ける長谷部と山口蛍を組ませた。そして最終ラインは、右から酒井高徳、吉田麻也、森重真人、槙野智章の4人が形成した。

幸先よく先制点を奪った日本だが、中盤を菱形にした4−4−2システムを採用するオーストラリアが、前半からボール支配率で圧倒した。それでも本田を中心に高い位置からプレスを掛ける日本は、中盤のアーロン・ムーイやマッシモ・ルオンゴにパスが入ると人数を掛けて挟み込みボールを奪取した。

前半28分には、中央でボールを奪うと、本田の落としを受けた長谷部が逆サイドの原口に展開。ドリブルで再びペナルティーエリア内に進入した原口はシュートを選択した。その1分後にも原口が右サイドを深く進入した折り返しから、本田がチャンスを迎える。ただ、本田のシュートはコースを狙いすぎたのか、GK正面に飛び、追加点はならず。それでもこの場面ではニアに小林、中央に山口、ファーに香川が走り込むなど、“ここぞ”という場面では攻撃に人数を割けていた。

|失点はPKの1点だけだったが、劣勢に立たされた後半

ただ、1−0で後半に入ると、オーストラリアはさらに前への圧力を増してくる。右SBのライアン・マクゴーワンに再三、仕掛けられると、その戻しを受けたオルンゴに中央や逆サイドへと展開され、たびたびゴール前に運ばれるようになった。

そして迎えた後半6分、オーストラリアのブラッド・スミスが日本の右サイドを突破するとクロスを折り返す。DFをすり抜けたボールは、FWトミ・ユーリッチのもとへ。シュートを打たせまいと懸命に戻った原口が後ろからプレスに行き倒してしまうと、レフェリーはPKを宣告。これをマイル・ジュディナクにど真ん中に決められ、1−1の同点に追いつかれてしまった。

後半12分にはロビー・クルーズ、後半24分にはティム・ケーヒルと、積極的に前線の選手を送り込んできたオーストラリアは、その後も日本ゴールに迫った。日本はサイドMFも守備に加わる6バック状態でこれを切り抜けたが、全体的にラインが下がり、反撃する力を攻撃で発揮することができなかった。

結果的にオーストラリアの得点をPKによる1点に抑えた日本は1−1で引き分け、アウェイで勝ち点1を獲得した。ただ、それを貴重な1ポイントとするのか、失った2ポイントと考えるかは、賛否の分かれるところだ。

また、オーストラリアが後半36分で3枚の交代カードを使い切ったのに対して、日本はその時間にようやく最初のカードを切った。それも、小林が負傷したことによる交代で、戦術的な意図によるものではなかった。ようやく後半38分に本田を下げ、FW浅野拓磨を途中出場させると、カウンターからDFの背後を突けるようになったが、残り時間も少なく、その攻撃回数は限られていた。相手はホームで勝ち点3を奪おうと、前掛かりになっていただけに、スピードが特徴の浅野を入れたことは効果的である。ただ、押し込まれる状況は、後半開始からずっと続いていただけに、もっと早い時間帯での交代も考えられたはずだ。ずっと押し込まれていたことに加えて、最終的には守備を固めて勝ち点1を守りにいった格好だっただけに、なおさらカウンター狙いの意図を明確にしてもよかったのではと感じずにはいられない。

また、カウンター以外の攻撃は皆無で、得点の匂いは感じられなかった。押し込まれてDFが弾き返しても、全体的にラインが下がっているから、オーストラリアに再び拾われ、また攻め込まれる。後方で起点も作れなければ、ボールを回すこともできない現状では、ただ、クリアして拾われ、再び押し込まれるという悪循環を繰り返す以外に、展開はなかった。

それでも相手に決定機という決定機を作らせなかった守備は評価できる。ただ、UAEやタイが見せていた戦いを、オーストラリア相手に日本がしているようでは、この先も厳しいと言わざるを得ないだろう。

この試合でも攻守でひとり気を吐いていた原口は、得点にも失点にも絡む結果となり、ショックを受けていたが、彼のがんばりがなければ勝ち点1もなかった。オーストラリアは、過去、何度も日本の前に立ちはだかってきた宿敵ではある。だが、これほどまでにボールを回され、支配されたゲームはあっただろうか。アウェイという状況ではあったにせよ、日本は、ハリル・ジャパンは、どこを、何を目指して進んでいるのだろうか。

文:SOCCER PUSH UP! 編集部
写真:松岡健三郎

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