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フットボール座談会[2nd half] ~はがねの剣で下剋上編~

2016.12.22

■シーズンを通して鹿島が見せた勝者のメンタリティ

J:Kさん、今年J1優勝したチームはご存知ですか?

K:知ってます!下剋上でしょ?

Z:優勝はズバリ?

K:鹿島!

おぉ~!(一同驚く)

K:2位は浦和、3位が……G大阪!

S:3位が違います!(笑)

J:G大阪は4位ですね。

Z:年間勝ち点で言うと浦和は1位だったんですけどね。

J:順位的には鹿島が1位になるんですよ。

Z:年間勝ち点で言うと、1位浦和、2位川崎、3位鹿島でした。チャンピオンシップ(以下、CS)では、まず2位川崎と3位鹿島が戦ったんですが……。

K:なんでそうなるの?

J:ちょっと待ってください……その話、去年割としっかりと説明したんですよ!(一同爆笑) ※注1

Z:ちょうど1年前に!

S:これを忘れてるのは、ガチギレされても仕方ないですよ!

K:すみませんでした!!(平謝り) でも、なーんかモヤモヤしませんか?下剋上はわかるんですけど、アウェイゴールの差で「優勝は浦和じゃなくて鹿島なんかい!」と。 ※注2

Z:そうなんですよね。年間勝ち点数上位より、アウェイゴール数が優先されるというレギュレーションでした。

J:みんなモヤモヤしたんじゃないですか?選手たちもモヤモヤしただろうし、決められたものだから仕方がないと。

S:小笠原満男選手が言ってましたよね。「ルールはルールなんで」って。

J:CS優勝して、ある鹿島の選手がボソッと言ってるのを耳にしたんですけど、浦和のホーム、各関係者も勢揃いの状況で「お前ら何してくれてるんだ!」っていうような、どアウェイな空気の中で、シャーレを掲げることができたのはぶっちゃけ爽快だったと。

S:変な空気にはなってますもんね。

Z:“ざまぁみろ!”まではないにしても、“やってやったぜ!”って感じなんでしょうね。

J:そこに鹿島の強みがあるのかなっていう感じはしましたね。そこで“気持ちいい”と思えるメンタルというか。

Z:そういうところが短期決戦で勝ち抜く強さのひとつではありそうですね。

J:その優勝した日に選手が「J1優勝して、天皇杯も勝ち残っているので、これで二冠の可能性がありますね」って話を振られたら、即答で「三冠ですよね?」って返してたんですよ。

K & Z:おぉー!!

S:かっこいい!

J:そうなんですよ。「クラブワールドカップ(以下、CWC)もまだありますから」って。結局、出る大会は全部優勝するつもりで臨んでるんですよね。

Z:しかも、それが現実になる可能性がありますよね。 ※注3

J:そういう鹿島のメンタルは、すごいなって思いますね。

S:CWCの決勝にJリーグのチームが進出するのは、歴史上初なんですよね!

J:1点目はPKで、FIFA主催試合で初めて取り入れられたVTR判定の結果だったんですよね。
試合としては、鹿島はめちゃめちゃ押し込まれていて。前半だけでも4~5点取られていてもおかしくはないような状況だったんですけど、それでも点を取らせなかった。

Z:2点目で相手の心を折った感じはありましたよね。その後更に1点追加して、結果3-0の完封勝利でした。

J:チームとして戦い方がわかっていて、押し込まれている時も“押し込まれてる!ヤバイ…”っていう精神状態ではなくて、相手をやり込めているというか。

S:相手に攻めさせているっていう考え方ですよね。

J:しっかりはめ込んで行けば、ここでボールが取れる。それを繰り返していれば、逆に自分たちのチャンスが来るっていうのがわかっているような守り方をしているんですよ。

Z:それは、全員が同じ意志を持っていないと綻びが出てしまいますもんね。チームとして戦い方の共有がしっかりできていると。

J:相手は南米のチームだし、個人技がうまいから最後のところでやられてしまうことも多少覚悟はした上で守っていて、数少ないチャンスではしっかりと点を取りました。

S:日程は鹿島が一番きつかったですもんね。

J:世界的に見ると、CSの時と一緒である意味空気を読んでいないというか(笑) その感覚は日本人っぽいメンタルではない感じがします。日本人って空気を読みがちじゃないですか。

K:確かに。

J:レアル・マドリードとの決勝で活躍して、そこからヨーロッパへ引き抜かれる選手が出てきたりするといいですよね。

※注1…http://soccerpushup.jp/column/3104.html 参照
※注2…CS第1戦は鹿島ホームで浦和が0-1で勝利、第2戦は浦和ホームで鹿島が1-2で勝利し、トータルスコア2-2となった。勝利数、得失点差で並び、アウェイゴール数で上まわった鹿島が優勝となった。
※注3…収録時は、CWCに開催国枠で出場した鹿島が南米王者アトレティコ・ナシオナルに勝利し、決勝進出を決めていた。決勝は延長戦の末、欧州王者レアル・マドリードに4-2で敗れた。

■CS第2戦、残り10分で見えた鹿島と浦和の違い

K:じゃ、モヤっとしたけど、痛快でもあったシーズンだったってことですか?

Z:浦和側からしたら痛快ではないと思いますよ?

J:そうですね。勝ち点っていう意味では、鹿島は浦和に15離されてますからね。“浦和と川崎の一騎打ちで良かったんじゃないの?”っていうような状況 ※注4 からの下剋上ですから。

S:2ステージ制になったことで、一番起きてほしくないことが起きてしまったというか(笑)

J:去年も下剋上はあるにはあって、CSで年間勝ち点3位のG大阪が2位の浦和に勝って決勝に進んだんですね。決勝で広島がG大阪に勝って優勝し、年間勝ち点1位のメンツを保った形でした。今年は、年間勝ち点3位の鹿島が勝ち上がって来て、結果、浦和が立場を守れなかったということではあるんですけど。

Z:去年と逆ですね。

J:浦和は勝って当たり前というような、相当なプレッシャーがあったと思います。

Z:しかも、第1戦はアウェイで浦和が勝ってますからね。ほぼ詰んでいるような状況からひっくり返されたんで、より深刻というか。

J:CS第2戦で鹿島が2点目を取った後の残り10分、アディショナルタイムを含めたら15分くらいあったと思うんですけど、そこの浦和の戦い方には少し引っかかるものがありました。焦りもあったんでしょうけど…。

S:槙野智章選手とズラタン選手を前に出してましたね。

J:15分あったら、自分たちの築いてきたサッカーで1点取れたと思うんですけど、それをあの時点で放棄したように見えてしまって。最後まで自分たちのスタイルが貫けなかったというか。そこに浦和の脆さが垣間見えた気がします。年間で1番勝ち点を稼いだチームがシーズンを通してやってきたものを信じられなかったというところには、少し空しさのようなものも感じました。

Z:そこで自分たちのサッカーを貫いていれば、結果は違ったかもしれない。

J:リーグ戦でも苦しい試合はたくさんあったと思うんです。0-0で進んでいた試合でも自分たちのスタイルで最後は1-0で勝ったりもしていたわけだし。

K:そういうことが残り10数分で出てしまうんですね……おもしろい!

J:あの10分間、浦和の選手がどう感じて戦っていたのかは興味がありますね。“なんで槙野選手をあげるべきだったのか?”って。

S:結果としては、劇的ではありましたよね!

K:ちなみに1stステージの優勝は盛り上がったんですか?

J:まずまずですかね。

Z:1stステージは鹿島が優勝しています。

J:川崎は、そこでまた一歩及ばず2位でした。

Z:勝ち点1差! ※注5

S:川崎はいつも惜しいんですよね。

J:2ndステージ最終節でも、勝てば浦和を上まわった可能性もあった ※注6 んですが、負けてしまいました。

S:2-3とかで負けたんでしたっけ?

J:そうですね。前半で2点取って「もう勝ったな」みたいな雰囲気もあったんですけど、1点返されてからは……。

S:ドバドバっと点を取られて負けると。

J:オフェンスは良い分、ディフェンスの脆さはありましたね。

S:はがねの剣なんですよね。

Z:……諸刃の剣ですかね?(笑)

S:はがねの剣はただの剣か!(一同爆笑)

※注4…シーズン終了時の年間勝ち点は、浦和が74、川崎が72、鹿島が59だった。
※注5…1stステージ終了時の勝ち点は、鹿島39、川崎38、浦和33だった。
※注6…最終節キックオフ前の年間勝ち点は、浦和が73、川崎が72。最終節で浦和は横浜FMと1-1で引き分け、川崎はG大阪に2-3で敗れた。

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