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国内実績十分の“助っ人”たちの活躍が光るJリーグ[COLUMN]

2017.03.31

|失敗が許されない状況が、国内実績のある助っ人優先を生む

「日本サッカーは攻守の切り替えが速い」
「どのポジションであっても高い守備意識が求められる」

これは、Jリーグに最も多くの“助っ人”を供給しているブラジルの選手たちが、来日したばかりのころに、まるでお決まりのように言うセリフだ。

それだけ、攻守においてメリハリのあるブラジルのサッカーと比較すると、日本は運動量を求められ、常にアグレッシブなプレーを要求されるということでもある。だからこそ、言葉や文化以上に、来日したばかりの外国人選手はスタイルに戸惑う。そして、チームが指向するサッカーに適応できず、本来の力を出し切れずに日本を去る者も決して少なくはない。

クラブも助っ人として迎え入れるだけに、日本人選手以上の活躍を期待しているし、多額の年俸を払うからこそ、そこにリスクを冒せない傾向が強まって久しい。

ジーコから続くブラジル選手の伝統を守り続けている鹿島の強化部長を務める鈴木満もかつてこんなことを言っていた。

「ジーコだ、レオナルドだ、ジョルジーニョだって獲得できたときと比べると、今はクラブの体力的にも、獲ってくる外国人選手のレベルはどうしても下がってしまう。昔はトリプルAクラスの外国人選手を獲得できていたけど、以前と比べると下がらざるを得ない」

昨季J1優勝を飾った鹿島に限らず、それは各クラブに共通する事柄である。だから、求められる助っ人は、Jリーグに適応できている選手となる。今季活躍している“助っ人”たちを見ても、その傾向は顕著である。

|新潟を巣立ったふたりのシルバの活躍が際立つ

その筆頭は、新潟で3年間プレーし、実績と結果を残したうえで、今季より浦和に加入したラファエル・シルバであろう。来日した2014年はシーズン途中の加入だったとはいえ、リーグ戦7試合に出場して1得点だったストライカーは、2年目は17試合7得点、3年目は23試合11得点と、数字をジャンプアップさせ、今季、日本のビッグクラブへと活躍の場を移した。

これまでは、残留争いをするチームでプレーしていたラファエル・シルバではあるが、優勝を狙えるチームに移籍したことで、周囲のサポート力もアップ。浦和の1トップを担うと、ポストプレーやくさびとなる動きも含め、連動するチームのサッカーにフィットした。何より1トップを務めることで、得点力がさらに開花。リーグ戦4試合で5得点と、脅威のペースでゴールを量産している。
新潟はもともと優秀かつ日本に適応できるブラジル人選手を見つけてくる千里眼に長けたクラブではあるが、早くも鹿島の中盤に欠かせない選手となっているレオ・シルバもそのひとりである。

持ち前のボール奪取能力に加え、鹿島では自らドリブルでゴール前に持ち込む推進力を発揮。ミドルレンジからのシュート意識も高く、J1第2節の甲府戦では、これまた神戸から加入したペドロ・ジュニオールの突破から、金崎夢生の折り返しを受けると、決勝点を挙げた。

|Jリーグでの実績がある選手は移籍先でもすぐに順応

また、合流間もないがFC東京に加入したピーター・ウタカもJリーグでの実績が十分な選手である。昨季は広島で19得点を挙げ、神戸のレアンドロとともに得点王を獲得。FC東京でも早くも存在感を発揮すると、川崎との多摩川クラシコでは大久保嘉人と絶妙な連係を見せて、1得点1アシストを記録した。まだ、チームの戦術やチームメイトの特徴を把握している段階だけに、試合を重ねるたびに脅威は増していくことだろう。その一方で、ウタカは、冒頭のブラジル人選手たちがよく言う「守備意識」に課題を残している。得点という結果を残していくなかで、彼はどこまでチームのために犠牲心を持ち続けられるだろうか。

守備陣に目を向ければ、G大阪のDFファビオである。関東1部リーグ時代の相模原(J3)でプレーするために2012年に来日したファビオは、翌年、3階級を飛び越え、横浜FMに移籍。2015年、2016年は完全に中澤佑二とCBでコンビを組み、成長しただけでなく、安定感をも身につけると、今季からG大阪に新天地を求めた。G大阪では4バックだけでなく、新たに試みている3バックにも順応。高い身体能力に加えて、戦術理解度という点においても、幅の広さを見せている。

|来日初年度の選手には苦戦も見られるが、ポドルスキは?

一方で、今季より日本のサッカーを体感している選手といえば、鹿島のレアンドロや川崎のハイネル、横浜FMで言えばダビド・バブンスキーとウーゴ・ヴィエイラ、さらには新潟のホニなどの名前が挙げられるであろう。鹿島のレアンドロや川崎のハイネルは、持ち得るポテンシャルは高いものの、やはり日本のサッカーに順応するのに時間が掛かっている印象だ。横浜FMのバブンスキーとヴィエイラは、結果もさることながら、随所で光るプレーを見せており、成功しているように映る。ちなみにバブンスキーはマケドニア代表で、ヴィエイラはポルトガル出身。ホニに関しては、ブラジル人の目利きに優れた新潟が獲得した選手とあって、今後の適応力に期待が高まる。

少し話は逸れるが、近年、Jリーグに韓国人GKが増えている。川崎のチョン・ソンリョン、神戸のキム・スンギュ、C大阪のキム・ジンヒョンに加えて、今季は鹿島が全北現代からクォン・スンテを獲得。韓国代表GKが軒並み、Jリーグでプレーしている状況だ。それだけ日本人GKの台頭が伸び悩んでいるという事態でもあるだけに、浦和の西川周作、G大阪の東口昭順、FC東京の林彰洋、柏の中村航輔らに続く、次世代の登場が待たれる。U-20日本代表に選ばれているFC東京の波多野豪や青森山田高出身の廣末陸に期待が掛かるが、GKはひとつしかポジションがないうえに経験も大きくプレーに左右するだけに、日本代表、韓国代表に名を連ねる先輩たちの牙城を崩すのは容易ではない。

最後に、ドイツ代表として活躍したルーカス・ポドルスキが神戸に加入することが決定している。年齢的には31歳とまだまだやれる年齢であり、個で打開できる力と、パンチ力のあるシュートという武器も持っているだけに、そう時間はかからず、魅せてくれる期待値はあるのだが……。ウルグアイ代表のストライカーで、C大阪でプレーしたディエゴ・フォルランがあまり活躍できなかった例もあるだけに疑問視する声もあるが、果たしてポドルスキはどちらに転ぶのだろうか。

文:原田大輔
写真:佐野美樹

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