昨季は昇格プレーオフを勝ち抜き3年ぶりにJ1へと返り咲いた。再びJ1を戦うに当たって、屋台骨となる指揮官を交代。2011年から2014年まで鳥栖を率いた実績のあるユン・ジョンファンを招聘した。練習の厳しさが有名な監督ではあるが、彼の指導によって個性豊かなタレントたちがさらに輝きを増す期待感は昂ぶっている。
もともとチームにはJ1で戦えるだけの戦力を擁している。FWには柿谷曜一朗や杉本健勇と、J屈指のストライカーが揃っており、これにセビージャから電撃移籍を発表した日本代表の清武弘嗣が加わり、さらに豪華な陣容となった。補強で言えば、FC東京からMF水沼宏太を獲得。テクニックを活かす左の清武、スピードのある右の水沼と、攻撃態勢は整った。また、中盤の底にはやはり日本代表の山口蛍がどっしりと構えている。ソウザと形成するボランチは、ボール奪取や展開力といった意味でも、強固と言えるだろう。
その一方で懸念されるのが守備陣である。CBにはKリーグでプレーしていたマテイ・ヨニッチを獲得しているものの、やや心許ない印象を受ける。
ただし、そこはユン・ジョンファン監督に指揮を託す期待値でもある。キャンプでも取り組んできている守備意識の改善により、全員の運動量や連動性が高まれば、かつての鳥栖のように強固な集団に生まれ変わるはずだ。それ以上に、攻撃では柿谷と清武がどんなハーモニーを奏でるかが楽しみである。その攻撃力は、はまればJ1屈指の想像力と破壊力を兼ね備えている。もうひと花咲かせようとする天才たちの共演はやはり見逃せない。
[主な移籍情報]
加入/IN
FW:山根永遠(←広島ユース)
MF:清武弘嗣(←セビージャ)
MF:水沼宏太(←FC東京)
MF:福満隆貴(←山口)
MF:山内寛史(←早稲田大)
MF:大山武蔵(←札幌大谷高)
MF:斧澤隼輝(←C大阪U−18)
DF:マテイ・ヨニッチ(←仁川ユナイテッドFC/KOR)
DF:舩木翔(←C大阪U−18)
DF:森下怜哉(C大阪U−18)
GK:圍謙太朗(←FC東京)
茂木秀(←桐光学園高)
移籍/OUT
FW:玉田圭司(→名古屋)
FW:田代有三(→未定)
FW:ベサルト・アブドゥラヒミ(未定)
米澤令衣(→山口)
MF:小暮大器(→愛媛)
DF:中澤聡太(→引退)
GK:北野貴之(→未定)
GK:武田博行(→東京V)