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震災から5年——それぞれの思いを秘めた戦い[J1/PICK UP MATCH]

2016.03.10

pick2016_3|復興のシンボルとして活動してきた仙台と鹿島

 東日本大震災から5年——復興のシンボルとなるべく活動してきたベガルタ仙台と鹿島アントラーズ。被災地をホームタウンとする両チームが、J1リーグ1stステージ第3節で対戦する。震災の翌年にも開幕戦を飾った両者が、このタイミングで直接対決を迎えることに感慨を巡らせる人も多いだろう。

 言わずもがな仙台は、これまで積極的に復興支援活動を行ってきた。2015年のシーズン始動日には、渡邉晋監督の提案のもと、選手全員で被災地の閖上へと向かい、改めて自分たちが希望にならなければと強く誓った。

 対する鹿島にも「東北人魂」として活動する小笠原満男をはじめ、柴崎岳、遠藤康ら、東北出身の選手は多い。彼らもまた、オフには毎年のように東北で子どもたちと触れ合う場を作るなど、活動を行ってきた。それだけに、それぞれに強い思いはある。

 ただし、試合の勝敗は別物だ。

 G大阪、鳥栖に連勝した鹿島は無敗で仙台に乗り込む。一方の仙台は前節こそFC東京に1−2で敗れたとはいえ、開幕戦では横浜FMに1−0で勝利しており、堅守をベースにしたチームは自信を深めている。加えて仙台はホームのサポーターに勝利を届けたいという思いも募っているはずだ。

 ただし、仙台にとっては大きな痛手もあった。FC東京戦で、守護神のGK六反勇治が足首を負傷したのである。検査の結果、骨に異常はなかったとはいえ、約1カ月の離脱が濃厚で、チームの堅守を支えてきた大黒柱を欠くこととなった。代わりはFC東京戦でも途中出場した関憲太郎が務めることになりそうだが、渡部博文、平岡康裕のCBを中心に、より高い守備意識を持って、鹿島の攻撃を抑えねばならないだろう。

|セットプレーが勝敗を分けるひとつのポイントか

 鹿島はFW金崎夢生を筆頭に、赤﨑秀平、カイオと、突破力と破壊力のある攻撃陣を擁している。だが、ここ2戦を見る限り、攻める回数こそ多いものの、得点数には結びついていない印象だ。G大阪との開幕戦も1得点、前節の鳥栖戦も1得点と、シュート数であり、攻撃回数がゴールに比例していない。こちらもチームを支えているのは堅守なだけに、いかに好機を活かす、もしくは相手のミスを逃さないかがポイントになるだろう。

 仙台もキャンプでは攻撃に磨きをかけたとはいえ、フィニッシュまで持ち込む回数は少ない。となると、鹿島、仙台ともにセットプレーが絶好の得点チャンスとなる。仙台は前節、CKから渡部がヘディングで決めており、高さはある。鹿島も金崎、山本脩斗、さらには昌子源と跳躍力のある選手が揃っている。リスタートから1点を奪えれば、守り切る力は備えているだけに、どちらがセットプレーを活かすか。

 また、G大阪戦で決勝点をマークした鹿島のFW鈴木優磨にも注目したい。ストライカーらしい気の強そうな顔と、果敢にゴールを狙う姿勢は、何かを起こしそうな雰囲気を醸し出している。開幕戦に続き、再びヒーローとなるか。仙台も野沢拓也や水野晃樹ら流れを変えられるテクニシャンが控えているだけに、交代カードを切るタイミングも勝負どころとなりそうだ。

(文・原田大輔)

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