開幕から3試合を終えて勝ち星のない湘南ではあるが、いずれも肉薄した好ゲームを展開している。第2節では現在首位に立つ川崎と4−4の撃ち合いを演じ、第3節でも昨季王者・広島と2−2で痛み分けとなった。昨季までチームを牽引していたMF永木亮太(鹿島)、DF遠藤航(浦和)、GK秋元陽太(FC東京)ら主軸が大量移籍したため、戦力ダウンが叫ばれていたが、チョウ貴裁監督が掲げる「最後まで諦めずに走り続ける」サッカーであり、「チーム全員で攻守に貢献する」アグレッシブにプレーする“湘南スタイル”は今季も健在だ。
3バックを担う三竿雄斗、岡本拓也らも最終ラインから前線まで駆け上がり“走力”を発揮。これに藤田征也や菊池大介が絡むサイド攻撃には“迫力”もある。加えて高山薫やキリノ、もしくは藤田祥史ら前線のシュート意識も高く、縦に速いサッカーは好位置でボールを奪えれば、得点の匂いがぷんぷんする。
その湘南が今節対戦するのは、昨季まで在籍していた遠藤が移籍した浦和である。赤いユニフォームをまとっての遠藤の帰還に、本人も、サポーターも、熱が入ることは間違いないだろう。その浦和は、ACLとの連戦を戦いながらも、2勝1敗でリーグ2位。前節の福岡戦でもエースの興梠慎三が2得点。サイドチェンジしながらピッチを広く使った多彩な攻撃を見せている。また、3月16日に行われたACL、アウェイの広州恒大戦では、劣勢に立たされながらも、CKから武藤雄樹が、右クロスからズラタンの落としを興梠が決めて2−2で引き分けた。今季の浦和は、もともとの攻撃力もさることながら、広州恒大戦では89分に同点に追いつくなど、粘り強さを備えつつある。
|昨季の対戦では浦和の2勝。湘南のリベンジなるか。
湘南のここまでの3試合を振り返えると、昨季と遜色なく、むしろ昨季以上の戦いができており、引き分けや負けが込んでいるのはツキと見ることもできる。ただ、逆に言い換えれば、川崎戦でも広島戦でも試合終盤にゴールを許しており、「最後まで諦めない」というチームコンセプトのもと、試合終了まで集中力を持続させられるかがポイントとなるだろう。
湘南は広島戦で、3バックではなく4バックを採用した4−4−2で臨み、相手の攻撃をしのぎ続けた。前半はシュートを1本も打てずに終わったが、しっかりと後半に入ると巻き返し、あと一歩のところまで昨季王者を追い詰めた。チョウ監督も「足を止めずに少ないチャンスに対してゴールへ向かっていくプレーができていた。2点とも我々が取りたかった典型的な形でのゴールだった」と手応えを感じていた。それだけに広島と同システムの3−4−2−1を採用する浦和に対しても、4バックで挑む可能性はある。広島戦同様、試合の主導権は地力で勝る浦和が握ることになりそうだが、湘南はしぶとく戦い勝利を目指すことだろう。
浦和は連戦の疲労もあるだけに、湘南にはチャンスもある。選手個々の能力で上回る浦和が昨季同様、勝利するのか、それともチーム力で勝負する湘南が今季初勝利を挙げるのか。ちなみに昨季の対戦成績は、浦和の2勝で、1stステージは浦和3−1、2ndは浦和1−0だった。浦和は攻撃の回数は多く作れるだけに確実に決めきれるか、湘南は少ない攻撃の回数を活かすことができるか。個と組織の対決としても見どころである。
(文・原田大輔)














![国内実績十分の“助っ人”たちの活躍が光るJリーグ[COLUMN]](http://soccerpushup.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/bnr_2.jpg)

![ストライカーの活躍はチームの成績と比例する[COLUMN]](http://soccerpushup.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/bnr_3.jpg)

![広島を支えた佐藤寿人と森﨑浩司が最後の試合で見せた姿勢[COLUMN]](http://soccerpushup.jp/wp/wp-content/uploads/2016/12/bnr.jpg)





