Jリーグ創設時から名を連ねる“オリジナル10”同士の対決である。今季、その“オリジナル10”のひとつである名古屋が残留争いをする中、一度も降格経験のない横浜FMと鹿島は、より誇りと意地を見せなければならないだろう。
ホームに鹿島を迎える横浜FMは、前節、FC東京に0−1で敗れ、2ndステージ初黒星を喫した。それまで2ndステージでは8戦無敗を誇っていたとはいえ、決して楽な展開だったとはいえない。2ndステージ開幕から3連勝を飾ったが、その後は3引き分け。特に残留争いをする磐田、名古屋に勝ち切れず、勝ち点を落としたのは痛かった。その後、第7節では、中町公祐の決勝弾により、柏に2−1と勝利したものの、続く大宮に引き分け、さらには監督交代したFC東京を相手に、2ndステージ初黒星を喫する結果となった。
攻撃の大黒柱である中村俊輔を欠くチームはいまいち攻め切れていない印象だ。得点力はもとより、ゴール前での形を作り出せずにいる。加えて今節はドリブルで攻撃を彩ってきたマルティノスが出場停止。中盤の底から積極的な攻撃参加を見せてきた中町も前節、ケガにより途中交代を申し出ただけに、戦力的にも今節はまさに正念場と言えるだろう。
ただし、乗り込む鹿島も決して絶好調とは言えない。1stステージこそ優勝を飾ったが、2ndステージでは盤石な強さを発揮できずにいる。2ndステージ初戦はG大阪に1−3で力負け。その後は復調したかに見えたが、第5節の浦和戦から3連敗。第8節で福岡、第9節で湘南に勝利して息を吹き返したが、ともに残留争いをするチームであり、実力差のある相手に勝利したにすぎない。加えて前節の湘南戦では途中交代を命じられた金崎夢生が石井正忠監督に、あからさまに不服な態度を取るなど、チームとしての統制が取れていないのではと感じる一面も露呈した。
|横浜FMは齋藤、鹿島は土居、注目のアタッカー陣
ともに状況としては楽観視できないだけに、横浜FMは連敗を避けるため、鹿島は3連勝を飾って勢いに乗るためにも、勝ち点3が欲しい試合となる。
マルティノスが出場停止となる横浜FMは攻撃の組み立てに課題を抱えることになるだろう。前線にはカイケや伊藤翔を擁しているとはいえ、そこまで到達できないゲーム運びにチームとしての課題は見え隠れする。喜田拓也がボールを拾い、出場機会を増やしている天野純やドリブラーの齋藤学が仕掛ける形は、ゴールの匂いを感じさせるが、実際、得点を奪えていないのが実情である。前節のFC東京戦では、システムを変更するなど、エリク・モンバエルツ監督は試行錯誤している。それでも効果は表れず、ボールを握りながらも相手ゴールをこじ開けることができなかった。
チーム浮沈のカギを握るのは、やはり齋藤学であろう。彼が見せるドリブル突破は、決定的なチャンスを得られる武器となる。加えて、仕掛ければ確実にマークを引きつけられ、他で数的優位を作り出す役割も担う。苦しい状況だからこそ、齋藤が個の力を発揮できるか。26歳のアタッカーにチームの勝利は委ねられている。
ただし、そこは鹿島も十二分に警戒してくることだろう。斎藤とマッチアップするのは、西大伍である。経験も豊富で、これまでも幾多のアタッカーを封じてきた西である。斎藤のドリブルを注視したポジショニングと距離感で、相手のストロングポイントを潰してくることだろう。
一方で、鹿島は金崎、土居聖真、赤﨑秀平らが彩る攻撃陣はチャンスメイクだけでなく、シュートも打てている。前節の湘南戦では相手の倍どころか5倍近い16本ものシュートを浴びせた。ところが、ゴールネットを揺らしたのは鈴木優磨が80分に決めた、わずか1回のみ。第8節の福岡戦は2得点とはいえ、第6節の鳥栖戦、第7節の仙台戦では無得点に終わっている。
前節、途中交代に不満を露わにした金崎は、練習に合流しているというが、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、その態度を問題視してW杯最終予選のメンバーから外した。金崎は、自らが取った行為を省みて、次の試合への活力へとできるか。出場した場合、金崎はプレーヤーとしての資質が問われるであろう。
鹿島の特徴は、やはり素早いショートカウンターにある。ここ最近は、中盤の底を務める柴崎岳、小笠原満男をローテーションしている石井監督ではあるが、高い位置でボールを奪取して、スピードに乗った攻撃を仕掛けられるか。
その中で注目したいのは土居だ。ドリブルで自ら持ち運ぶこともできれば、切り込んでフィニッシュすることもできる。素早いターンも魅力であり、高いシュート技術も備えている。ここ最近は左サイドで起用されているが、よりゴールに迫るプレーを見せられるか。土居の突破は、鹿島の生命戦となる。
横浜FM、鹿島ともに1点を奪えば守り切れる力はあるだけに、どちらが先にリスクを冒すかも見どころだろう。また、鹿島なら山本脩斗、昌子源、横浜FMなら中澤佑二、ファビオとCKでは、得点源としても期待できるだけに、セットプレーも重要な場面となる。
(文・原田大輔)














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