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準決勝に勝利して勢いに乗る鹿島か。成熟した安定感漂う浦和か。【JリーグCS決勝 第1戦】

2016.11.28

■Jリーグチャンピオンシップ決勝【第1戦】
2016年11月29日(火) 19:25 KICK OFF @県立カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズ vs 浦和レッズ

|準決勝に勝利した鹿島は前線からの組織的な守備が強み

2016年シーズンのJリーグの象徴となるのは、鮮やかな赤か、それとも深い紅か——いよいよJ1の頂点を決めるチャンピオンシップ決勝がはじまる。一発勝負の準決勝では年間2位の川崎を1−0で破り、決勝へと駒を進めてきた年間3位の鹿島には、選手たちも語る確固たる勢いがある。一方、年間勝ち点72を叩き出し年間1位として決勝戦に臨む浦和には、シーズンを通して培ってきた安定と成熟という強みがある。鹿島が優勝すれば、2009年以来となる7年ぶり、浦和が優勝すれば2006年以来となる10年ぶりのタイトルを懸けた戦いは、11月29日、まずは鹿島のホームで第1戦を迎える。

川崎との準決勝は、まさに鹿島の伝統とも言われる手堅さがあった。超攻撃的と言われる川崎のパスワークを、2トップを務めた金崎夢生と土居聖真の二人で寸断し、ボランチの小笠原満男と永木亮太が高い位置でボールを刈り取ることによって、相手をバイタルエリアに進入させることを許さなかった。

リーグ終盤は4連敗を喫したが、その敗戦によってチームに危機感が芽生え、仕切り直したことによって準決勝を前に行われた天皇杯の神戸戦で勝利できたことも、自信になったと選手たちは話していた。石井正忠監督が守備を重要視しているように、チームとしての守備意識が高まったことによる連動したプレスは、大きな強みとなった。後半開始早々に先制した後は、川崎に押し込まれる場面もあったが、DF昌子源、GK曽ヶ端準を中心に、川崎の攻撃を無得点に抑えた鉄壁の守備は、さすがと言わざるを得ない。

浦和との決勝に向けては、2列目やボランチでの活躍が期待できる柴崎岳も戻ってくるだけに、まさに万全の体制で決勝の2試合を戦えるところもチームにとっては追い風だ。

|盤石の浦和だが、一抹の不安を挙げれば試合間隔

一方の浦和は、11月12日に川崎と戦った天皇杯4回戦から、2週間以上も試合間隔が開いていることは気が掛かりだろう。この間、練習試合などを行っているとはいえ、試合勘という観点で言えば、一抹の不安が過ぎる。また、年間1位で決勝を迎えるプレッシャーものし掛かる。鹿島の選手たちが「自分たちには何も失うものはない」と、チャレンジャー精神で臨めるのに対して、年間1位の浦和には、勝って当たり前という重圧がつきまとう。ただ、今シーズンの浦和は、ルヴァンカップで優勝しているように、周囲の期待を力に変えることができている。

興梠慎三、武藤雄樹、李忠成が形成する前線のトライアングルは、それぞれが二桁得点をマークしているように、その破壊力は抜群。こちらも前線からの守備により、高い位置でボールを奪い、タクトを振るう阿部勇樹と柏木陽介のダブルボランチが、サイド、中央に展開する。サイドを担う関根貴大、宇賀神友弥に加え、今シーズン加入した駒井善成の突破力も光っており、外からも中からもゴールを陥れる力を擁している。阿吽の呼吸とも言われる攻撃は、パターンがあるとも言われているが、そのバリエーションは豊富で、かつ高い精度を見せる。まるでスペースを見つけるように、次々と選手が飛び込んでくる攻撃は、手堅い鹿島の守備をこじ開けるだけの完成度がある。

|中盤の攻防とサイドのマッチアップは見応え十分

試合は、中盤の底のつぶし合いとサイドの攻防がポイントとなるだろう。鹿島は、川崎との準決勝でも左SB山本脩斗のクロスに金崎が頭で合わせて得点したように、右SBの西大伍とともにサイド攻撃を得意としている。実際、1−2で敗れたとはいえ、2ndステージで浦和と対戦した際にも、左SBの山本のクロスに、土居が走り込み得点を奪っている。

西が頻繁に攻撃参加するのに比べて、山本はタイミングを見計らった効果的なオーバーラップを見せる。上がればチャンスを作り、結果を残しているのは、試合展開であり試合状況を見極められている証拠だ。それだけに、マッチアップする浦和の駒井やDFの森脇良太は、山本にクロスを上げさせない守備を徹底する必要があるだろう。

また、浦和の攻撃は、柏木と阿部の展開力によるところが大きい。その2人から前線の興梠に当て、その落としから2列目、もしくはサイド攻撃を繰り出すことによって、またたく間に相手ゴール前に迫る。それだけに、当然、鹿島の小笠原、永木も、まずは興梠への縦パスを封じようとしてくるはずだ。それを特に柏木は運動量によってかいくぐることができるか。鹿島サイドから見れば、そこを確実につぶせるかが試合の結果を占うことになる。

浦和の攻撃は、前述したように、前線の3人がそれぞれ二桁得点を記録しているように、ゴール前まで迫れば、得点する決定力を擁している。一方の鹿島で二桁得点をマークしているのは金崎しかいない。その金崎が準決勝でゴールを決めたことは、鹿島にとって朗報だが、2ndステージの対戦でゴールを奪った土居もストライカーとしての意地を見せられるかもポイントとなる。試合を決めるのは、うまい選手ではなく怖い選手。浦和も鹿島も、誰がそうした存在になれるかだ。

勢いでは鹿島、安定感では浦和。ただ、試合は第1戦だけでは決まらない。そう考えると、今回、ホームで戦える鹿島は準決勝と同様、手堅く勝利して第2戦に向かいたいところ。一方、浦和がアウェイゴールを奪う、もしくは勝利すれば、大きなアドバンテージを得ることになる。

文・原田大輔

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