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どうしたマンチェスター・U。香川の現在地とは?

2014.02.13

mataのコピー|復調しないマンUは、冬の移籍に活路を見出す

 どんなに内容が悪くとも、気付いたら勝ち点3を手に入れている。それがここ数年のマンチェスター・ユナイテッドだった。
だからこそ、開幕からスランプが続く今シーズンも「彼らは必ず巻き返してくる」というのが、現地記者からライバルチームの監督、各クラブのサポーターの共通見解だった。
しかし、2014年に入ってシーズンが後半戦に突入しても、調子は一向に上がってこない。元日のプレミアリーグではトッテナムにホームで敗れ、立て続けにカップ戦も含め公式戦3連敗。その後は宿敵チェルシー相手にも1-3で敗れている。
そこで、スランプ脱出の切り札として白羽の矢が立てられたのがフアン・マタだった。クラブはチェルシーにクラブ史上最高額となる3700万ポンド(約62億円)もの移籍金を支払い、このスペイン代表MFを手に入れた。
ジョゼ・モウリーニョ監督の下で序列を落としていたとはいえ、マタは古巣で2シーズン続けてクラブ年間最優秀選手に選ばれた実力者だ。得意なポジションはトップ下だが、左右両サイドでもプレーする。小柄ながらテクニックを駆使してチャンスを作るのがプレースタイル。アシストに比重を置くマタ、フィニッシュを持ち味とする香川真司とちょっとした違いはあれど、ポジションから背格好まで、マタと香川の共通点は多い。そのため『マタの加入は香川退団のシグナル(マンチェスター・イブニング・ニュース)』といったように、マタ獲得の影響を最も受ける選手は香川だと報じられたのは必然だった。

|マタの加入で居場所をさらに失った香川

メディアの予想は現実となる。今季ここまで、そもそも出場機会が多くなかった香川だが、マタがデビューした1月28日カーディフ戦から3試合では1分もピッチに立つことができていない。ウェイン・ルーニーとロビン・ファン・ペルシーもケガから復帰し、デヴィッド・モイーズ監督は1トップ+2列目3枚の計4人を「マタ、ルーニー、ファン・ペルシー+1枚」で構成することを決めたようだ。
その「残りの1枚」は、ここまでアントニオ・バレンシアが1試合、アシュリー・ヤングが2試合で先発。試合途中で流れを変えるカードとして、若いアドナン・ヤヌザイが選ばれている。香川真司はマタ加入後の3試合中2試合でベンチ入りはしたが、声が掛かることはなかった。「1枠」を争う中の4〜5番手。これが、今のチームにおける香川の序列だ。
ただ、単純にマタが加入したことだけが、この序列の理由ではない。シーズン序盤も全くチャンスを与えられなかった香川だが、10月頃からはチャンピオンズリーグを中心に徐々にピッチに立てるようになり、攻撃の中心として機能していた試合もあった。モイーズも徐々に“香川の使い方”を理解していき、一時はチームに居場所を取り戻したはずだった。
それでも、与えられたチャンスの中でノーゴール&ノーアシストだったという現実が、モイーズの中にわずかながら芽生えた“香川熱”を冷ましてしまったことは間違いない。特に、ルーニーやファン・ペルシーが負傷離脱していた期間に活躍できなかったのは痛かった。これは香川に限った話ではないが、両エースの穴を埋める活躍をした選手がいれば、大金を支払って獲得したのはマタではなく守備のポジションだった可能性もある。

kagawaのコピー|クロス一辺倒の攻撃、香川の個性が生きない現状

実際、イングランドでは「守備の脆さ」と「モイーズ戦術」が批判の的にされている。特に戦術に関しては、モイーズのユナイテッドは「クロス一辺倒」というのが対戦相手にとって半ば定説になっている。例えば2-2で引き分けた2月9日フルアム戦でも、今季プレミア最多の81本のクロスボールを放り込み、うち18本しか味方に届かなかったというデータが話題となった。いくら個人能力が高い選手がそろっていても、攻め方が単純なら守るのはある程度簡単だ。香川個人のパフォーマンスレベルが低いこともそうだが、今季のユナイテッドに香川が“ハマらない”のは、複雑な連携の中で、中央の狭いエリアで個性を発揮するタイプの香川が、シンプルすぎるクロスボール攻勢の中で埋もれてしまっていることが最大の理由だろう。
ただ、結果が必要な中で、ますます出番が限られつつある香川にとって状況が厳しいことは変わらない。チーム全体の調子は未だ上向いていないとはいえ、マタ自身はデビューから3試合連続でアシストを記録するなど上々のプレーを見せており、シーズン序盤に見られた「なぜ香川を使わないのか」というメディアの論調も、徐々に「香川は夏の放出要員」という評価に変わってきた。
香川がクラブに残留して活躍するためには、おそらく“一発勝負”に勝つ必要がある。モイーズがまだ試していない攻撃陣の組み合わせ、ファン・ペルシー、ルーニー、マタ、香川の4枚を前線に配する日をじっくり待ち、その日が来たら「文句なし」の連携とプレーを見せるしかない。モイーズの好みからすると、その組み合わせが頻繁に試されることはないだろう。それでも、香川が生き残る道は、不動の主力3人と一緒に、クロスに頼らないショートパス主体の“中央突破”でチームが勝てることをアピールするしかない。
個人的には、その4人なら首位を争うアーセナルやマンチェスター・シティ、好調のリヴァプールに勝るとも劣らない変幻自在の美しい攻撃を見せられるのではないかと思う。

(文:寺沢薫)

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